瓦のマメ知識
瓦の性能
屋根は、大切な家を激しい雨や風から守り、家族の暮らしと健康を守る大切な役割を担っています。
屋根に使われる瓦には、たくさんのすぐれた性能と機能があります。そして、瓦を葺く職人の高い技術とこれらが重なりはじめて、屋根の大切な役割が果たされるのです。
瓦の種類
瓦の種類は実に多く、また複雑です。大別すると、次のように分類されます。
- 形状による分類---本葺形、J形、F形、S型、スパニッシュ形など。
- 本葺形による分類---平瓦、丸瓦、桟瓦、役瓦(軒瓦、掛瓦、冠瓦、巴瓦)など。
- 鬼瓦類---実用と装飾を兼ねた鬼瓦などで、産地により様々な形があります。
- 大きさによる分類---本葺形と和形には大小があり、地域によっても異なります。
- 焼成法による分類---いぶし瓦、釉薬瓦(陶器瓦)、無釉薬瓦、塩焼瓦の4種類。
- 色による分類---いぶし瓦は銀色、塩焼瓦は赤褐色、釉薬瓦の色は多種類。
- 等級による分類---製造業者により瓦の優劣で選別され、等級がつけられます。
- 生産地による分類---各生産地の瓦は粘土の質や製造技術などにより品質、生産量などに特徴があり、これを区別するために石州瓦、三州瓦のように生産地の名称で呼びます。
石州瓦の特徴
「石州瓦」は、島根県中西部、石見地方で生産されている瓦で、高い温度で焼き上げているため、硬くて耐寒性に優れた瓦です。
他産地の瓦との大きな違いは、原料となる粘土です。石州の粘土は、鉄分の少ない粘土(白土)を使用しているので、1,200℃の高温で焼く事ができるため焼き締まって、硬く、水を吸いにくく、寒さに強い瓦ができます。また、海岸付近に多い塩害にも強く、風化しにくいのです。
- 石州瓦工業組合(石州瓦工業組合が提供する、屋根と屋根材に関する様々な情報サイト)
三州瓦の特徴
「三州瓦」は、愛知県三河地方で生産されている瓦で、生産量は日本一で、多種多様な瓦作りをしています。
この地域の瓦は、焼成温度が高く、優れた耐火性を誇り、冷害に非常に強いことが特徴です。
発祥は1700年ごろといわれ、良質で豊富な粘土に恵まれたことで発展し、 交通の立地条件がよいことから、首都圏や中部圏、近畿圏のほかに北海道、九州にも製品を送り出しています。
- 愛知県陶器瓦工業組合(三州瓦の愛知県陶器瓦工業組合公式サイト)